R18媚薬ヤクギメセックス
・お酒が呑める年齢(はっきり決めてません)
(度数低めだけど良い子は真似しちゃダメです)
・茨が普段はマグロ設定
・少し長いので摘んでお食べください
『ほら、茨ならできるでしょ?……プロだもんね』
最近増えた閣下のお遊び。何年か前から突発的に始まった戯れという名の無茶振りは、歳を重ねるごとに増えていった。
まあ、自分は自ら希望してこの立場に収まっている訳であって、閣下がそれで満足されるなら良いのだけれど、今日はちょっとだけ度が過ぎた。
『猫耳だよ?鈴の首輪もある。……はい、いばにゃんにぴったり。ほら、鳴いて?』
その顔の、意地の悪いことと言ったら……。結局その場では閣下を前にして打開策が浮かぶわけもなく、恥を偲んで、……いや、ここはむしろ思いっきりドラ猫のように声高らかに鳴いてやろうではないか!
『な”!』
『茨、ちゃんと可愛く鳴くんだよ?』
『…………にゃ、にゃぁ……』
………と思ったのに、邪魔が入って腑抜けた声が出た。後に確認したところ、出演していた生放送番組の視聴率は跳ね上がり、何故かトレンドも自分関連で独占したようだが実に不本意!何という失態……!
だからではないが、決してそんなガキのように拗ねたわけじゃないが、先日、弊社の某アイドルから「カレシと使いな」と押し付けられて、持て余してた例のブツを腹いせに使う事とした。
ラブポーションと書かれた胡散臭い薬。しかし調べてみたら案外しっかりした会社が作っており、身体にも害はなさそうだった。押し付けてきた相手だって腐ってもアイドル。怪しい闇市とかでなくて何よりであります!と、ミルクで割ったチョコレートリキュールにそれをちょっと多めに混ぜ込んだ。
「閣下!お待たせしました!夜なので少しになりますが、話題のチョコレートリキュールであります!」
「ありがとう、茨。戴くね」
そう微笑んで、グラスに口をつけ媚薬入りの酒を煽る閣下。……やった。ふふん、自分も恥ずかしい思いをしたんです。カメラの前は言語道断ですが、自分の前でくらい失態を見せて頂いても……などニヤケ面で閣下を眺めていると、逞しく突き出た喉仏がゴクンと嚥下を合図するその前に、グッと腕がこちらに伸びてきて、頭を鷲掴みにされた。「え?」と思う頃にはもう遅く、閣下の弾力のある唇が押し付けられたかと思えば、止める間も無く侵入した分厚い舌で口内を掻き回され、洪水のように甘ったるいチョコレートと若干の苦味が喉を駆け抜ける。
「……けほっ、う、……閣下?」
「美味しいから茨にも呑んでほしくて」
その割には些か乱暴ではなかったか?まさかバレた?……まさかな。
「お気に召されたようで何よりです!……あの、おかわりをお持ちしましょうか?」
「ううん。今日はたくさんカロリーを取ったから、我慢するね」
そうゆうことか。もしや何処かで日和殿下と甘いものでも食されたのかもしれない。ひとまずバレてはいない様子に溜飲を下げた。
★
「……ふぅ……ふー。……ん、……」
……身体が熱い。それも燃えるように。汗が垂れて、息があがる。しかも……局部が勝手に盛りあがってテントを張り出した。まずいと咄嗟に上着を膝に被せて誤魔化そうとしたが、横からそれをヒョイと回収された。
「君だったら、そうだな。シチューを作ってそこに入れればよかった」
熱で浮かされ生理的な涙で滲んだ視界に、見慣れた白の面積が多いシルエット。
「甘いお酒なんて普段呑ませてくれないのに、バレバレだよ?……期待した?」
「そんなこと……ありません」
やっぱりバレていた。普段呑まないからこそ浮かれて呑むと思ったのに。そう後悔するには遅く、ベットルームまで運ばれる。確かに何かを期待していたのかもしれないなんて、身体の疼きを前に自分でも少し疑ったが、早く気持ち良くなりたくてそれすらどうでも良くなった。
ベットルームに移動すると、優しく布団に降ろされた。いつも通りに服を脱がされるのをじっと待っていると、閣下は結束バンドとガムテープを取り出した。……なんで?え、まって?なんで?……なんて困惑している間に、両手の親指と中指を結束バンドで固定され、手首から上はガムテープでぐるぐる巻きにされる。そして閣下は俺のズボンのベルトがしっかり閉まっているか確認作業を行う。どうして?と更に困惑した目で見ていると、閣下が頬を撫でつけながら子供に言い聞かせるように話し始めた。
「君の立場はなんだっけ?茨」
「閣下の僕です……」
「そうだね。私が上で君が下。それはずっと変わらないはずでしょ?……ご主人様に噛み付くなんて、悪い子」
そう言って、手が不自由な俺に背を向けて、閣下は部屋から出て行こうとする。
「お仕置きだよ。良い子で待っててね」
「え!?ちょ、閣下?……まっ」
その言葉と同時に、ニコリと微笑んだ閣下は、パタンとベットルームのドアを閉め切った。
★
「……かっかぁ、ごめんなさい……かっかぁ」
少しお散歩をして帰ってみれば、スンスン泣きながら床に前を擦り付ける茨がいた。ベットから転げたのか歩こうとして崩れたか、懸命に毛足の長いカーベットにうつ伏せでズボンの前を擦り付けている。手首のガムテープは少しよれており、抜け出そうとした跡があった。しかし指の付け根に結束バンドと、更には媚薬でいつもより力が入らない体躯。……可哀想に。きっと我慢ができなかったのだろう。凪砂は近付いて、その細い腰を掴んでコロンとひっくり返すと、ジーンズの生地越しにさわさわと指先でその腫れた部分を焦らした。……熱い。指先で感じる熱は鉄板で焼かれたように茹ってて、茨の全身から湿った湯気が放たれているのかと錯覚した。
「あ……んん……」
無意識なのか、腰を浮かせて凪砂の手に押し付けてきた。凪砂はそれを避けるようにするりと撫でると、「動かないで」と一言釘を刺し、鋏とペンチで結束バンドとガムテープを切断してゆく。意外と薄い茨の皮膚に傷がつかないよう、切ったガムテープをゆっくり捲ってゆく。その間も「ああ」やら「んん」など甘い声を漏らしていた。最後にピッと剥がすと、「あうっ」と声と共に芋虫のように身体を丸める。……手首の軽い刺激にすら悶えるその姿はまるで、
「全身が性感帯みたいだね」
大変面白いと、凪砂は赤くなった痕を指先で突いたり、捏ねたり、ちょっと舐めてみたりした。……塩味とガムテープの若干の香り。
「……ふっ……やっ、ばか、へんたい」
「変態?勝手に気持ちよくなってるのは茨なのに?……けど反骨精神旺盛なのは元気でよろしい」
それでこそ私の茨だ。そう言えば、潤んだ瞳が一層、避難がましくこちらに向けられる。床で勃起を隠すように丸まって、真っ赤な顔で睨みつけられたって、可愛いだけなんだけどね。
凪砂は、恋人への加虐心が年々増していることを自覚していた。少しは自制しようと心がけているが、今のところ全敗である。……それ程に可愛いのだ。私だけの茨。その茨の腰と膝裏に手を這わし、姫君を運ぶようにベットへ戻す。……いつもより全身が敏感になている茨を乱暴にしてしまえばこれから始まるお楽しみが減ってしまう。
「イッちゃだめだよ?」
「……え?……へ?」
凪砂は一言だけ忠告して、目を白黒させる茨の前開きのシャツを開き、ベルトを外し、ズボンを脱がす。前がはだけたシャツに、下はトランクスのパンツに靴下のみとなった。凪砂の目下に顕となったぷくりと芽吹いた胸の飾り。それをじぃと見つめると、恥じらって胸元を覆い隠した茨の両腕を纏めて頭上に縫い付ける。さて、下準備は終わった。……調理を始めようか。
「茨。これ、なにかわかる?」
「……あ、えっと……」
そう言って凪砂が取り出したのは、茨がキッチンに置きっぱなしにしていたラブポーションの瓶。紅い香水のような形のそれの蓋を開け、凪砂はオリーブオイルを掛けるように、ツーと茨の胸元と腹部へ滴らしていく。
「ああ、あつッ……や、やめッ」
液体が落ちた部分の肌が甘く焦げ付く。ジュワと弾けるような熱さで、蛇に絡みつかれたかのように茨の皮膚を痛めつける。かゆくって掻きむしりたくって仕方ない。けど、目の前の大魔王がそれを阻止するように手首を掴んでいる。手を離して欲しいと視線で懇願すれば、凪砂はニコリと微笑んだまま、顔だけを茨に近づけて空気に晒され続ける尖りを口に含んだ。
「あ、やあああ!!!」
じゅるじゅるとわざと音を立てて凪砂は吸い付いた。歯を引っ掛けるように甘噛みして、転がして、吸って、舌先で潰した。
「はう、あうっ!あん、あ、やあ、いっちゃう、やだぁ!〜〜ッ、はなせぇ……」
最後にじゅうっと一際大きな音を立て、唇を離す。左右の胸の違いは歴然で、ただでさえポーションで血潮が湧き、火照った身体だったが、吸ったところは真っ赤なボタンの開花のごとく、赤く濡れそぼっていた。
凪砂は吸ってない方の飾りを指先でいじくりつつ、その舌先は次のターゲットへ移動する。
「や!そこ駄目!きたないからあ!やあ、あんっ、ごめっ……なさ、謝るからぁ!ごめんなさい……や、やああ!」
――そのターゲットとは、茨の脇である。汗で余計に湿り気を帯びているそこは、顔を近づけるだけで熱を感じ、スゥっと息を吸えば鼻腔に広がるミルクの甘い香りと少しの酸っぱさ。凪砂は脳髄が揺さぶられるようだった。
大胸筋から三角筋へ繋がる浮き出た筋を舌で辿り、深く抉れた脇の窪みに舌先をねじ込んで、甘い香りと塩味を味わいつつ、仄かに生える産毛を舌でブラッシングする。
「やめっ、やめろ……!かっか!お願いで、あああ!」
茨の懇願には耳を貸さず、凪砂は指でいじくっていた胸の飾りの先端をカリカリと引っ掻きつつ、赤い痕を残すように脇奥の薄い皮膚に強く吸い付く。ジュゥと音と共に茨の身体がブルルと快楽に震え、弛緩するのを感じる。
「……あ、はう……、あ……」
「偉いね。いかなかった。いいこいいこ」
太腿はプルプルと震えているものの、局部のソレは依然として硬いまま下着の中で上を向いていた。
凪砂は一度身体を起こしてベットサイドの引き出しをゴソゴソ漁り、目的の物を取り出した。全体が紫色のつるりとした質感のそれは、ハンドマイクのように先だけが丸く膨らんでおり、取手部分にはいくつかボタンが付いている。押してみるとブブブとひとりでに振動するそれは所謂アダルトバイブというものであり、こっそり購入した後に茨にしこたま怒られた思い出の品だ。使うこともなく仕舞い込んでいたが、問題なく動くようで安心した。
「ねえ茨。これ当てたらどうなるんだろうね」
「……や、ヤダヤダ!」
凪砂の動きを不審な目で見ていた茨だったが、この一言でなにをしようとしているのかを察したのだろう。首を左右に激しく振り、拒絶の意思を表す。凪砂は反動で外れかけた眼鏡を畳んでサイドテーブルに置き、茨の頬や額に張り付いた赤糸を指先で優しく退かす。
「気持ちいいだけだから、大丈夫だよ」
そう言って起動ボタンが押されたバイブは、フルフルと震える太ももに当たるか当たらないかくらいの距離で止まる。そのまま円を描くようにクルクルくるくると茨の戦慄く肌の上で悪戯に遊び、だんだんと上へ上へ登り詰める。
「やだやっ、やああ!ああ、ああっ、あ――」
大腿の外から柔い内側へと移り、鼠蹊部を辿り、茨の快楽を的確に引き出してゆく。茨は己の限界を察した。このまま行けば触れる場所は明白で、身体はどうしたってその快楽を求めている。茨だってどうしようもなく内側で膨らみ続ける気持ちよさに身を委ねてしまいたい。しかし同時に、凪砂の命令を遵守できない屈辱がぶつかり、茨はどうしたら良いか頭の中がぐちゃぐちゃになっていた。しかし、その振動がついぞ局部に触れる……ところでその振動はピタリと止まった。
「(……助かった?)」
いつまでも来ない衝撃に、茨は瞑っていた瞳を恐る恐る開けると、此方を見つめて微笑む凪砂と目が合う。その優しげな表情に、茨もつられて口元を綻ばした。――瞬間、カチッという音と共に、先程より強い振動が茨の中心から全身へと駆け巡る。
「あああああああっっ!!!やああ!!やあっ!」
気を抜いていたのもあるだろう。首を仰け反らせ、打ち上げられた魚のようにビクンと跳ねると、全身がガクガクと壊れた人形のように痙攣する。ピュルルッと、限界まで張り詰めていた精子が茨の尿道から勢いよく飛び出し、履きっぱなしだった下着から白濁が泡となり滲み出る。濡れ鼠となった色の布切れでは収まりきらなかった精液が、ゴム部分から腹部へと溢れ、腹の筋を通り、テラテラと肌を彩りながらシーツへと流れ落ちていった。
「……ね。気持ちいいでしょう?」
「あぅ……。んっ……、」
凪砂は茨の吐き出した白濁が絡みつく下着に指をかけ、わざと時間をかけて脱がした。髪色とお揃いの下生えは風呂上がりのごとくに濡れそぼり、パンツのゴムからポロリと顔を出した性器はむわりと湯気立つようだった。
汗や精液でビショビショとなった下着と靴下を取り払い、些か行儀が悪いと思ったが、床に落とした。その際に響いたペショッという、多量に水分を含んだ音に羞恥を覚えたのか、茨がギュッと目を瞑り顔を背けてしまう。
「ちゃんとこっち向いて」
凪砂の咎めるような声に、抗えないのか素直に茨はその顔を向けた。涙と涎と鼻水でぐちゃぐちゃとなった茨の顔。先の余韻がまだ続くのか、ハァハァと大きく呼吸を繰り返し、焦点の合わない青い瞳は蕩けた飴細工のように甘く煌めいていた。凪砂は茨を彩るそれらを舐め取りたい衝動を抑え、アイドルらしくほっそりと整った茨の顎を指先でツウとなぞり、そのまま赤く熟れた口元へと運ぶ。
「茨のお尻の穴を解かそうかと思うんだけど、そのまま挿れる?嫌だったら舐めて」
茨は唇をキュッと噛み締めたのち、唇を割り開き凪砂の指先を赤い舌でチロチロと舐め始める。それが合図だと言わんばかりに凪砂は茨の熱い口腔内に指を侵入させた。茨はそのまま、己の指より長く少し太さのある指を舌で絡め取り、チュパチュパと音を立てて唾液を絡める。その姿はまるでキャンディに夢中な子供のようであった。
「美味しい?」
凪砂の問いに、茨は咥えたままコクンと頷く。可愛い茨、良い子だね。偉い偉いと頭を撫でつつ、凪砂は茨の舌を中指と人差し指の第二関節で挟んでぎゅっと引っ張った。
「!?、ひゃっひゃ、いひゃい。いひゃいれう!」
「痛いだけ?ホントは気持ち良かったりして」
先程イッた余韻に浸っていた茨だったが、流石に苦情の声があがる。だがしかし、力無く横たわっていた筈の茨のソレは、舌を引っ張った瞬間に硬度を取り戻しつつあるのを凪砂は確かにこの目で見た。勃っている事に気がついていないのか、当の茨は、「ひはう、ひはう」と頑なに認めようとしない。
「………そういえば、いっちゃダメって言ったのに守れなかったお仕置き、まだだったよね」
凪砂は唐突に先程の約束についてを口にすると、再度指先を茨の口に戻して、上顎をなぞりながら奥へ奥へと侵入していった。そして、舌の更に奥。喉にぶら下がるのどびこに指先をチョンと当てた。
「あがっ、ガッ、げぇ、う”え”」
生理的な吐き気で茨がえずく。苦しさから涙と鼻水を流してもなお凪砂の指を噛まぬよう、震える顎を閉じることはない。
しかし、引き続き本人は気がついていないかもしれないが、苦しみながらも明らかに勃起の角度が高くなり、今にも腹についてしまいそうであった。今度フェラチオでも挑戦してみようか。才能はありそうだなんて、凪砂は心の中で次の休日の予定を組み立てた。
「また硬くなってる。……変態さんだね」
「ガッ、グゥ、グエェ、ゲゥッ」
舌根を開くように押さえつけ、喉奥を突いて遊んでいたが、茨の喉奥から漏れ出る音がちょっと不味い音になったので、本当に吐いてしまう前に指を引き抜いた。唾液でテラテラと光を反射する指を茨の股の合間に差し入れ、窄まりに指を置いたところで、ゼエハアと必死に酸素を取り込みながらも凪砂に怯えたような視線を送る茨に気がついた。
「……がっがぁ、ごあい……おごっでる?」
パールブルーの瞳が伺うように凪砂を覗き込む。快楽で潤んだ瞳の奥が、不安で揺れている。その怒ってるかと言うのは媚薬を盛った事だろうか。言いつけを守らなかったことに対してだろうか。ならばどちらも杞憂である。最初から、凪砂は怒ってなどない。
「……怒ってないよ?」
「ほんど?」
「ほんとだよ」
「よがった」
茨はそう言って安心したように微笑む。怒ってないなら酷いことをするなと凪砂を責めればいいのに、凪砂が怒ってないという事実だけが重要なのだろう。先程から苛め抜いている凪砂が言えた義理ではないが、ちょっとだけ、心配になる。
「一緒に気持ちよくなろうね」
そんな心配を流し込むように、凪砂は瓶に入っていた残りの媚薬を全て口に含んで、茨と共有する。茨と凪砂の口のなかで媚薬が唾液と絡み、行き来する。いつもよりも甘ったるい味のキスがグチュグチュと音を立てて互いの脳に響き渡る。凪砂はその甘さを味わうと同時に、茨の窄まりへ伸ばしていた人差し指の腹で、くるくるとマッサージを始めた。
「あ、んん……ん……」
それだけで茨は身悶えするが、拒絶することなくむしろ縋るように舌を絡め、凪砂の首に腕を回す。凪砂も空いた手を茨の後頭部に回し、より一層、口づけを深くした。指を沈め、茨のいいとこを愛撫でしていく。キスの合間で漏れ出る茨の声が更に甘くなる。
「なぎさしゃ……もういれて……」
火照った顔で茨がそう訴える頃には、後ろは凪砂の指2本を咥え、すっかりと柔くほぐれきっていた。
「挿れるね」
グチュリと音を立てて茨の中へ凪砂のものがズブズブと侵入する。硬く熱い肉棒にふわふわと暖かい肉壁が絡みつく。茨の身体を舐めた際のも併せ、媚薬が徐々に効いてきた体は少しでも気を抜こうものなら、あっという間に果ててしまいそうだった。
「……?かっか?」
いつもであれば果ててしまう前に、茨のイイところを突いて、前も抜いて一緒にイクのだけど……、せっかくいつもより快楽に従順なこの子の狂う様が、もう少しだけ見たかった。
「………ぅう……」
そうして凪砂がジッと動かないでいることを察したのか、はたまた我慢ならなかったのか、茨は己の腰を凪砂の腹に擦り寄るように揺すり、気持ちいいところを慰め始める。
「あう……あ、……んん、ん……」
まるで自慰そのもの。普段の茨であれば理性が邪魔をし、絶対にやらないであろう行為。だが、愛の劇薬に充てられ脳を焦がされ、意地の悪い男に焦らされ続けた茨の内側は、やっと咥えることができた愛する男のそれで快楽を得たい、気持ちよくなりたい。只々それだけであった。
「ふう、ん、んん……きもひ……、おっきいのあたぅ」
眉根を寄せ、懸命に己を慰めている。茨が腰をユラユラと揺らすたび、連結部がぱちゅ、ぱちゅ、と鳴り響く。いつも羞恥からマグロを決め込んでいるからか下手くそにもほどがあったが、もはやどこに当たっても気持ちがいいのだろう。腰の動きが止まる様子はなかった。
「んっ……茨、気持ちいい?」
「あう、きもちい……きもちい……あっ」
「……ひとりで気持ちよくなちゃって、……狡い」
結論から言ってしまえば、そんな極上の餌をぶら下げられた男の我慢など、儚いものであった。我慢のならなかった凪砂はガシッと茨の腰を両手で掴むと、そのまま遠慮のない動きで抜き差しを繰り返す。
「う”!?お”っ!あ、あ”、ああ”っ!」
突然の強い衝撃に、茨は声を取り繕うこともできず、凪砂から打ち付けられるままに揺さぶられる。
「んごッ、ああ”、あ、あっ、あ”、ちょっまっ、あ”」
茨の尿道から、凪砂の腰が打ち付けられるたびに、押し出された精子がピュッピュッと飛び散る。激しい動きによって、胸や腹、顔までといたる箇所へ白濁が飛び散った茨の裸体を喩えるなら、そう。
「……甘くって熱くってドロドロで、カラメルみたい」
「ん”っ、あ”っ、あ、あんっ、きもぢ、いっ」
喘いで、鳴いて、気持ちが良すぎて苦しいと訴える茨。そんな茨の手が、シーツの上で何かを探すようにポフポフと動き回る。それに気がついた凪砂は上からそっと握り、筋張った細い指と己の指を絡め合わせる。すると返事をするように指をぎゅっと握り返され、存在を確かめるかのように指先が凪砂の手の甲をスリスリ撫でる。その動きが可愛くって愛おしくって、より深く茨に堕ちていく。
「焦がされて、混ざり合って、溶け合って、……ひとつになろうね」
「ん、あ”!イクッ、なぎさしゃッ、イッちゃうからぁ!」
「いいよ。いこう」
凪砂は手を絡めたまま更に激しく腰を打ち付けた。ベットルームにパンッパンッと肉のぶつかる音が鳴り響く。いつもであれば加減したところだったが、媚薬を共有した凪砂も、今にも理性が飛びそうなほどに、内に燻る熱が段違いであった。欲望のままにその熱く滾る肉棒を愛壺に叩きつけ、揺さぶり、中を掻き混ぜ、茨を貪った。
「やぁ、なんっか、あんっ、くるっ……こあい、ごあ”いっ」
雌のような高い喘ぎと濁音混じりのうめきを繰り返すだけだった茨が、突如タガが外れたように怖い怖いと喚き始める。その声にすら欲を止める余裕のない凪砂は、休む事なく腰を打ち続ける。そして一際大きくストロークし、思いっきり打ち付けた瞬間、「あ”、ぐあ”!?」と茨の眼球がぐるりと上を向く。
「あ、あ、あ、ああ」
「飛んだ?」
「あ”あああ!!!あ”っっ!あー!あー!」
茨は、赤ん坊の夜泣きのような叫びをあげたかと思うと、首を左右に振りながら快楽から逃げ惑うように身体を激しくうねらせる。しかし、同時にその熱を逃さんと直腸が狭まり、凪砂の性器をぎゅっとキツく締め上げた。
「……んっ、ふっ、いばら、……気持ちいいね」
「あ”あ”あ”っっ!う”ーーっっ、う”うーーっ!!」
「くっ、キツい……ふふ、もっと2人で狂い合おう」
力加減のきかない茨の手が、繋いだままの凪砂の手を砕かんばかりに握りしめる。絡め合わせていない方の腕は、凪砂の背中にしがみつき爪をたて、背の薄皮を削る。その痛みすらも愛おしく、凪砂の快楽の後押しとなった。
「…………きっと、人はそれを愛と呼ぶんだよ」
「う”う”っ!あ”ーーーーっっ!!あ”〜〜っ!」
バンッバンッと茨の細くスラリとした足がシーツの上に叩きつけられる。加減を忘れたその足が振り下ろされるたびにスプリングが悲鳴をあげる。
「骨が砕けちゃう」
茨の踵が傷つかないよう、膝裏に手を差し入れて持ち上げながら覆いかぶさった。茨の脚が空を蹴り、暴れているのを背中に感じる。そのまま、唇を重ね合わせキスをすれば、意識が飛んでいるにも関わらず、甘えるように薄く長い舌が凪砂の舌に絡みつく。ピチャピチャと二人で舌を絡め合わせていくうちに、脚の蹴りも手の力も弱まり、茨の身体が弛緩していった。
早く終わりにしてあげようと、抜けるギリギリまで引き抜き、バチュン、バチュンと最奥に勢いよく叩きつけ、腰と腰を密着させ、刷り込むようにしてドクドクと精液を茨の中へ吐き出す。「ん”んん”ッ!?」という喘ぎか呻きか判別のつかぬ声と共に、茨は担ぎ上げられた脚をピンと張りつめ、背中をクッと仰け反らせた。しかし既に性巣は空っぽで、茨の先端からは代わりにプシャアァアッと無色透明の液体が勢いよく噴き出る。潮吹きだ。それは勢いよく二人の胸元までを濡らし、徐々に勢いが弱まり、プシ…と音を最後に止まった。潮吹きの終わった尿道からは、チロチロと勢いのない薄黄色の液体が流れ出る。己の粗相にすら反応のない茨は、力尽きて夢の世界へ旅立って行ったようで、あどけない幸福そうな表情ですやすやと寝息をたてていた。
「……おやすみ。いい夢を」
そう言って閉じた瞼にキスを落とす。
さて、これだけいろんな液体で汚れたのだ。お腹も壊してしまうし、早く綺麗にしなくてはいけない。凪は風呂場に運んでその身体を清めようと茨の身体に触れる。すると、ビクッと甘く全身を震わしながら背中をキュッと丸めてしまう。おや?と思い、チラリと茨の精器を見てみれば僅かに首をもたげ始めていた。……しかし、当の本人は瞼を閉じて眠ったまま。その寝息が色っぽく感じるのは、勘違いではないのかもしれない。
「…………ちょっと飲みすぎた……かな?」
その言葉への返事はなく、茨の意識が戻るまでの風呂場では凪砂の理性が試される事態となった。